蛙茶番(かえるちゃばん)

TERAYAMA Shizumi/ 9月 20, 2012/ 落語/ 0 comments

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役者ってのは、極論すると生粋のナルシストでして
他の役者より目立ちたいし
客の視線を一斉に浴びてみたいなんて思ったりしている。

思うのは自由だけど、それが態度に出てしまったら
その時点で役者を廃業した方がいいと思う。

料理にも、前菜、スープ、メインディッシュ、デザート、ドリンクと
それぞれ役割があるように
役者にも、物語を背負う人、話を転がす人、脇を固める人、飛び道具などなど
きちんと脚本に沿った役目というものがある。

じゃあ、自分はどのタイプの役者なんだろうと、考えることが重要で
生き残るためのポジションを確保し、成立させてくれればそれでよい。

僕が、以前このブログに登場したお師匠さんに言われたことは
「3人芝居では、お前は使われない。だけど5人芝居なら可能性はある。
そして10人芝居だったら、迷うことなく7番目か8番目のポジションを掴み取れ」
ということでした。

僕という役者を表すには、実に的を射た言葉だったと思います。

物語を背負えるような(いわゆる主役級)オーラはないし
脇を固めるほどの実力派タイプでもない。
飛び道具として使うには、いまいちインパクトに欠ける。
でも、なんだか分からない雰囲気はあるので、とりあえず板の上に出してみるか。
そんなポジションですね。

芸能人で例えると誰になるのだろう…
まあ、テレビと舞台では、演じ方も使われ方も全く異なるので
一概に「これっ」とは言い切れないのですけど。

とりあえず、配役が決まりました。
稽古が始まりました。
本番を迎えます。
舞台が幕を開けると、脚本家と演出家の仕事は終わります。
役者とスタッフさんにすべての運命を託すことになります。

とはいえ、実際は、幕が開いてからも、直しを入れるので
脚本家と演出家の仕事は、カーテンコールの幕が下りるまで続きます。

もちろん、お客さんが観ていることを想定して
初日に最高の仕上がりを持ってくるのが演出家の務めなんですが
芝居はやっぱり生ものなので、幕が開いてみて初めて気がつくこともあるんです。

だから1か月のロングランをしている有名劇団なんて
初日と楽日じゃ、全然別物になっているなんてことは当たり前なんですね。
いばって言うことじゃないか。

なんの話だ。

そうだ、役者はナルシストという話だ。
自分で書いておきながら、時々迷子になるので気をつけないと。

ナルシストでもあり、エゴイストでもあり、同時にハートは熱く、頭はクールに。
オレオレばかりでは芝居は成立しないし、そんなものまったく面白くありません。

僕が思う、理想の役者象。
それは、相手役者のことを輝かせることができる役者のことだと思っています。
どうやって発信するか、ではなく、どうやって受け取るか。
それは何倍も難しくて、何倍も大変だけど、何倍も素晴らしいと思っています。

実生活でも同じですよね。
自分の考えを一方的に押し付けるのではなく
相手の良さを存分に引き出してあげる。

プロレスに例えると分かりやすいかも。
イケイケの猪木イズムと、受け身の馬場イズム。

僕がどちらを好んでいたのか、それは言わずもがな。

です。


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