out of (the) reach of

TERAYAMA Shizumi/ 9月 13, 2012/ 英語/ 2 comments

$こうたろ.com
:Keep medicines out of children’s reach.
:That sort of house price is out of my reach.

男「海はでけえなあ。でかすぎ…ヤッホー!」
女「それ、変」
男「でもいつか、その向こう側の景色を見てみたいと思わないか」

とにかく喋ることが大好きだった少女は
いつの間にか、喋ることがおっくうになっていました。

思っていることをそのまま口にしないぞ、と決めたあの日以来
段々と口数が減り、普段はおとなしい人とレッテルを貼られ
気がついたら、本当に話さなくてはいけないことを話せなくなっていました。

「人は、決断すると何かを失うのかもしれませんね」
とは10年前に書いた台詞です。

彼女の胸の内には、たくさんの思いがありました。
けれど思いはいつも言葉に遠く、
実際に表現しようとすると、チープな単語しか出てきませんでした。

彼女は、決して語彙力が少なかったわけではありません。
でも、あと一歩、肝心なことを伝えるための術が足らなかったのです。

おかげで、彼女の発する言葉はどんどん簡素なものになっていきました。
曖昧さを美徳とする日本語において
無駄がそぎ落とされ、質素で貧弱なものになりました。

彼女は、ますます閉じた貝のようになってしまうのでした。
書き言葉であれば、多少なりとも比喩やたとえ話を使うことで
伝えたいことの本質に近づくことはできました。

でも同じことを話し言葉で表現しようとすると、ただまどろっこしいだけです。
感情がこもっていれば、言葉なんてどうにでもなる。
というのは幻想です。

彼女の胸の内は、すぐそこにある。

しかしどうしても手の届かない場所にあり
懸命に腕を伸ばしてもつかむことはできません。

こうして、彼女の語られない言葉は徐々に増えていきました。
語られない言葉は行き場を失い、ゴウゴウと渦巻き始めました。
彼女は、自分の中で巻き起こる渦に飲み込まれ、その寒さに負けてしまいました。

ならばと思います。
彼女が自分の渦におぼれ、もがいているなら
僕が彼女の言葉を拾い集めてあげればいい。

僕が自分のことを語れば語るほど、彼女の渦は大きくなっていきます。
だから、僕は彼女の言葉を引き受ける覚悟を決めました。
彼女の胸の内を開き、決壊したダムを修復し、秩序を持って言葉を並べます。

与えるのではなく、引き出し受け止める。
勇気も愛も強さも弱さも笑顔を涙も
みんなみんな外から与えるのではなく、ただありのままを引き出し受け止める。

あなたが寒さに負けないように。

僕は、あなたのそんな人間になりたい。


2 Comments

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    やっぱり、こうたろさん、いい人だな…

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >ぷりんさん
    いやいや、そんなことないですって!
    でも、嬉しいです。
    恥ずかしいけど(///∇//)

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