within (the) reach of

TERAYAMA Shizumi/ 9月 8, 2012/ 英語/ 0 comments

$こうたろ.com
:My house is within easy reach of the station.
:Personal computers are now within the reach of everybody.

声を失くした中年の男性がいました。
彼は、リハビリのかいがあって、自分の声を取り戻すことに成功しました。

その時、彼は医者に尋ねます。
「この声には、また妄想の声もついてくるのでしょうか?」

医者は一瞬言葉を濁した後、彼にこう告げました。
「夢を見るってそういうことじゃないですか」
中年の男性は、「夢を見るには歳を取りすぎました」と答えます。

願いは叶うという言葉を信じるには、歳を取りすぎました。
けれど、その代わりに、hope=希望というフレーズを使うようになりました。

恐らくは、3.11後に起きた自分の内面の変化の一つだと思います。
あの震災は、間違いなく新しい世界の扉を開けました。
かなり強引に、歪んだ力で。

そして僕は、モノづくりを続けていく以上
いつの日にか、その前後の世界の物語を書かなければいけない気がしています。
ただのチャリティではなく、被災地のドキュメントでもない
まったく別の切り口で、その歪みの正体を表現したいと思っています。
今のところ、その方法や方向性については皆目見当もつかないんですけどね。

ヒントとして、もしかしたらそれは
歳を取ることと大人になることは何の関係もなかったり
野望と野心の違いを説明したり
決して忘れたくない記憶を忘れていたり
思い出したくない痛みをいつまでも抱えていたり
無償の愛があったりなかったり

そんなこじらせてしまった糸を
少しずつほぐしていく作業に近いのかもしれません。

願いは叶うという言葉は、サンタクロースは存在すると同じ匂いがします。
祈りは届くという言葉は、砂浜に流れ着いた空き瓶の中の手紙に似ています。

まるで月の夜空が大地にそっと口づけをした感じだった。
咲く花で、ほんのりと明るい大地が
月の夜空に憧れざるを得ないほどに。
そよ風が野畑を渡っていった。
麦の穂がさわさわと波だった。
森がかすかにざわめいていた。
それは明るい月の夜だった。
そして僕の心は広々と、その翼をいっぱいに広げる。
そして静かな大地の上を渡って飛んでいった。
丁度故郷へ帰っていくように。

幸せは手に届くところにある。
それが僕の幸福論。

そんなことをおくびにも出さず、物語が書けたならと。


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