娘には粥、嫁にはビビンバの後片付けをさせよ

TERAYAMA Shizumi/ 7月 24, 2012/ へんなことわざ/ 2 comments

$こうたろ.com

中学時代にちょっとした事件があった。
ある女の子が(最初は軽い冗談のつもりだったのだろうが)
僕の友人に小さなウソをついた。

しかしその後、そのウソを誤魔化すために、彼女はまたウソをつき
その繰り返しによって話はどんどんヘビーな内容になり
僕を含めた数人が彼女の物語に巻き込まれていくことになる。

今にして思えば、明らかに不自然な言動だったと分かるのだが
当時の僕らは全身で彼女と彼女の物語を信じていた。

でも結末は、小説のように劇的なラストを向かえることなく
あっけないほど唐突に現れた。

結局僕らにはどうすることもできなほど話が大きくなったため
部活の顧問の先生に相談したところ
完全なウソだと言うことが判明して彼女の物語はそこで幕を閉じた。

当然関わった友人たちは激怒したし
彼女はその日から不登校となり、一時は転校説も流れるほどだった。

もちろん僕も頭にはきたのだが
それと同時に彼女が不憫に思えてしかたなかった。

どうしてそんなウソをつかなければならなかったのか
何のためのウソだったのか。

理解しようと試みたのだが
それは彼女にしか理解できない世界であり
恐らくは彼女自身でさえ説明がつかないことなのだと思う。

ごく普通の人間から人生のウソを取り上げてごらんなさい。
それは同時に幸福を取り上げてしまうことですよ。-イプセン-

(清水功太郎のごあいさつより、抜粋)

これは、「秘密」をテーマにした芝居を創った時に
当日パンフレットに書いたごあいさつ文の一部です。

もちろんこの内容は事実です。

今、いじめの問題が大きく取り上げられていますが
いじめは僕らの時代にもありました。

小さな悪意が、やがて手に負えないほどの悪意に膨れ上がっていく。
そんな構図は今も昔も変わりません。

大人の世界にだっていじめはあります。
偏見、差別、無視、意見の相違、原因はなんだって挙げられます。
そして、いじめている当の本人が気がついた時には、すでに手遅れなのです。

ごあいさつに書いた彼女とは、実は後日談があって
僕と彼女は別々の高校に進学したのですが、何度か彼女と会っています。
その時も彼女は、得体の知れない何かを演じているようでした。

懲りない奴と言えばそれまでなんですが
何が彼女をそうさせるのか、僕はそのことで頭がいっぱいでした。

家庭環境なのか、育ってきた土壌なのか、結局原因は分からないまま
今となっては、まったくの音信不通で20年の月日が流れました。

僕は中学から下の記憶がほとんどありません。
それでも時々彼女の夢を見ます。
それだけ、心のどこかに引っかかったままなんでしょうね。

やれやれ。


2 Comments

  1. SECRET: 0
    PASS:
    今の私なら‥ 遠目から見て~
    「可哀想な人‥」と思うだけですが。。
    中学時代にそういう子が居たら、
    間違いなく「なんで?」って問い詰めて
    理由をしっかり聞いて~
    そして… 説教です!(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✧
    こうたろさんが今も引っかかるのは、
    やっぱり…
    こうたろさんが『伝える側の人』
    だからじゃないですか?
    演じるコトで伝える…✰
    伝えたいコトを脚本にする…✰
    そういうコトに携わってらっしゃるから
    その彼女のウソが
    何の為だったのか。。
    何の意味があったのか。。。
    こうたろさんにとって、
    それがとても大事なコト♡だから
    引っかかるんじゃないでしょうか?
    偉そうにコメントしてしまいました。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >まにまにさん
    まあ、それほど深刻に悩んでいるわけではないのです。
    もはや今となっては。
    ただ時々、フッと思い出すことあるんですよね。
    で、その度に、彼女の一連の行動は
    なんだったんだろうと考えてみるわけです。
    具体的な内容はここでは書けませんが
    彼女の作り上げた世界は、ほぼパーフェクトでした。
    彼女自身が墓穴を掘らなければ
    多分、僕はずっと彼女のことを信じていたと思います。
    ウソだと分かって、他のみんなは当然激昂したわけですが
    当時から、僕だけは違う種類の感情がありました。
    僕は滅多に人を憎んだり嫌いになったりすることはありません。
    彼女のことも嫌いにはなれなかったんですよ。
    そのことが自分でも不思議だし説明できないんです。
    そんな色々な感情が入り混じっているからこそ
    今でも、ひっかかりがあるのかもしれませんね。
    ほんと、謎です。
    コメント、ありがとうございました。

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