花見酒(はなみざけ)

TERAYAMA Shizumi/ 7月 18, 2012/ 落語/ 0 comments

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現場から離れて随分と経つので、今の事情は分かりませんが
いわゆる「小劇場演劇」と呼ばれるものには
大抵の場合、出演者にチケットノルマがあって
それを友達が買ってくれて、劇場へ来てもらうというシステムで成り立っています。

で、次に、友達の舞台がある時は
お礼に自分がチケットを買って、その友達の芝居を観に行きます。

つまり、狭い世界の中で、お金とお客さんがルーティーンしているのです。
これじゃ、いつまでたっても観客数は増えないし、自分の懐も潤いません。

結果、一部の人たちの自己満足の世界ができあがり
「芝居をやっている人は、貧乏だ」というレッテルを貼られてしまうのです。

そしてみんな、口をそろえて言うのです。
「普段、芝居を観ない人たちに、自分たちの作品を観てほしい」と。

ですが、陶芸に興味のない人が、陶芸展を観に行かないのと同じように
芝居に興味のない人が、フラリと劇場へ足を運ぶことは、まずありません。

人気劇団の場合は、チケット発売と同時に即日完売してしまうし
当日券やキャンセル待ちを期待しても、必ず手に入る保障もないのです。

映画と違って、予告編を放送することは難しいから宣伝活動は限られます。
その限られた中で、皆、アイディアを絞り出し、観客獲得のために励むのです。

もちろん内容が大切だということが一番重要で
リピーターを増やし、観客数を確保するためには
優れた作品を生み出し続けなければなりません。

また、芝居の難しいところは
観客数の多さ=優れた作品、ではないということです。

どんなにお金をかけて、大きな劇場でロングランをしかけても
がっかりするような作品はたくさんあるし
ギャラリーのような、小さな小さな空間で
度肝を抜かれるような作品に出逢うこともあります。

当然、好みの問題もあります。
だからこればっかりは、観てもらって判断を委ねることになります。

ただし、演者や脚本、演出から制作にいたるまで、すべてのジャンルには
客観的に判断できる技術があります。

技術はスポーツなんかと同じで、鍛え上げなければ向上しません。
稽古を重ね、経験を積み、スキルアップしていくことの重要性。

一長一短でどうにかなる世界ではないのですが
だからこそ、一度はまってしまったら、抜けられないんだと思います。

演劇は、日本の中では、まだまだマイナーな分野です。
歌舞伎や能などの古典芸能はともかく
商業ベースに乗らない演劇が日の目を見ることは難しいです。

防衛庁を防衛省にするくらいなら
文化庁を文化省にするくらいの懐の広さがあってもいいのになあ。


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